「もう一度観たいあの映画」VOL.21 『アメリカン・ハッスル』
主演:クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス
【STORY】
完全犯罪を続けてきた天才詐欺師アーヴィンと、そのビジネス・パートナーにして愛人のシドニー。ついに逮捕された二人は、イカれたFBI捜査官リッチーに、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられる。それは、偽のアラブの大富豪を使って、アトランティック・シティのカジノ利権に群がる政治家とマフィアを罠にはめるという危険な作戦だった。ターゲットは、カジノに絡む市長のカーマイン。しかし、アーヴィンの妻ロザリンが、アーヴィンとシドニーへの嫉妬から捜査をぶち壊そうと動き出す。
【REVIEW】
冒頭シーン、本作の主役・詐欺師のアーヴィンが登場します。鏡に映ったアーヴィンの腹は中年太りで張り出していて、頭髪は前面とてっぺんには髪がありません。そこに部分かつらをくっつけて、左右の髪を寄せ、一九分けにセットしているシーンから始まります。
なんとアーヴィンを演じているのは、クリスチャン・ベール。直近で観た「フォードvsフェラーリ」の彼の体形とは全く違う…違いすぎます。そしてこの後、FBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)と口論になり、リッチーはおちょくるようにアーヴィンの頭髪を乱します。その時のアーヴィンの表情と頭髪の乱れぐわい…コントか?と思えるようなシーンですが、ここは観てのお楽しみですね。決して本作はコメディではありませんが、登場人物のキャラが立ちすぎていて、思わず爆笑してしまいます。
そしてもう一人、アーヴィンの妻ロザリン。アーヴィンとはほぼ別居中で、前夫の息子と一緒に暮らしています。このロザリン、天然というか自由すぎるママで、当時(1980年代)高級品であろう電子レンジを1回目の調理で爆発させます。そのことでアーヴィンと口論なるのですが…壊した挙句、こんなので温めると食品に毒が入るといったようなことを言って一歩も引きません。
映画のラストはアーヴィン、シドニー(エイミー・アダムス)、リッチーがカジノ利権に群がる政治家とマフィアを騙すことになるのですが、ここでもロザリンが出しゃばってきます。あろうことか、騙そうとしているマフィアの一員と付き合ってしまうんです。
もう目を離すと何をしでかすやら…そのロザリンをジェニファー・ロレンスが演じます。「レッド・スパロー」のスパイ役、「ハンガーゲーム」のヒロインで、クレバーなイメージの彼女ですが、ここでの演技は違います。決して主役ではないのですが、目が離せません。
本作は、第86回アカデミー賞に作品賞・監督賞・主演男優・主演女優、助演男優・助演女優を始め10部門ノミネートされましたが、一つも賞をとることができませんでした。せめてジェニファー・ロレンスに助演女優賞と思うのは私だけでしょうか。
この映画でのクリスチャン・ベール、レーサー役なのでボディメイクも完璧で無茶苦茶カッコいいです。
◇『フォードvsフェラーリ』
エイミー・アダムス、ディズニー映画のお姫様役です。
◇『魔法にかけられて』
イラク戦争に従軍した実在のスナイパーを演じたブラッドリー・クーパー、監督はクリント・イーストウッドです。
◇『アメリカン・スナイパー』
この映画でジェニファー・ロレンスがアカデミー賞主演女優賞をとっています。
◇『世界でひとつのプレイバック』
もう一度観たいあの映画 VOL.21 『アメリカン・ハッスル』
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